再び、海外へ

2019年、母校・信州大学の70周年事業のネパールヒマラヤ遠征に参加した。
この遠征のために就職を断念し、この遠征を機に下界で就職しようしたものの考えが変わり、現在に至る。
駆け出しの頃は「プー太郎」と言われ、冬は仕事がなく引越しのアルバイト。おまけにコロナ禍にも巻き込まれ、海外遠征など遥か遠くのものに感じていた。
しかし、当時の私は山仕事で全国を飛び回っていて、日本国内の山や文化や歴史にも興味が湧き、それに魅力を感じていたから、海外に出られないことに特に不満を抱いていたわけでもなかった。
気付けば5年も海外へ出ていなかったが、少しばかり生活も落ち着き、ようやくその機会を得た。行先はキルギス。様々な理由があるが、端的にいうと遠征費が安く収まりそうだったから。我々にとってそれは、非常に重要なことだ。
キルギスは、中央アジアに位置する旧ソ連の国。首都はビシュケクで、日本からの直行便はない。
韓国を経由するか、カザフスタンのアルマトイから陸路で入国する方法もあるが、我々は23kg×2の荷物を預けられる、中国南方航空を利用した。
瀋陽、ウルムチを経由して遥々ビシュケクへ。信州のGWくらいの時期のような、清々しい青空と新緑の青さが眩しい。
到着の翌日、メールでも親切に情報を提供してくださったキルギス山岳協会に挨拶へ向かった。
ハイパーストロングコーヒーと自家製のウィスキーのような酒の歓待を受け、二人とも昼間からベロベロに酔ってしまった。
午後は入山の食料調達に向かったが、結局、酔いと疲れを理由にほとんど買い出しせずに宿に帰宅するのであった。


翌4/8、我々はビシュケク最大の市場、「オシュ・バザール」に向かった。
ドライフルーツやナッツ、それにクッキーが豊富で行動食の調達には困らない。

さらに、美しい模様の中央アジアの「ナン」とキルギスで生産の盛んなハチミツをゲットし、前半戦の朝食及び行動食とする。


アタック用の食料はある程度、持参したものの順応中の食料は現地調達する予定だったので、宿で試してまずまずだったロシア製の湯煎の米と、ベーコンと野菜、スパイスを買ってペミカンを作っていった。


さて、いよいよ入山だ。