せっかく休みだというのに、天気が悪い。半日くらいしか持ちそうにないので、中央アルプスの短めの沢へ。
この流域でいえば、ロープウェイの真下を遡行する中御所本谷が遡行価値が高く、私も学生のときに登ったことがあるが、支流の西横川も快適な遡行が望めるらしい。

菅の台からしらび平までバスに乗り、車道を少し戻って入渓。堰堤を越えつつ荒れた河原を進むと、小瀧が連続するようになる。

前半戦の滝を快適に越えていKU

小気味よく滝を越えていくと、目の前に30m大滝が現れた。思ったより早い登場と、迫力のある佇まいにしばし見惚れる。
ロープを出しで左岸のリッジを登ったが、慣れたバーティなら不要だろう。

迫力のある30m大滝

大滝の上からは花崗岩の岩盤が発達し、明るく開放的でグイグイと高度を稼げる。
滝の登攀も難しくはなく、ほとんど自動的に手足をリズミカルに動かして行く。体操みたいだ。
岩の隙間には高山植物が可憐に咲いていて、気分もいい。

岩盤の発達した30m大滝上
狭い隙間を登る
ニッコウキスゲ
滝が連続し順調に高度を稼ぐ

途中、3匹くらいかわいいサンショウウオ君がいた。

蛇とカエルは嫌いだけどサンショウウオは好き

上部の二俣を岩盤に囲まれた狭い方へ入り、少しヌメる滝を慎重に越えると水流は少なくなり、次第にガレ沢となり、長谷部新道に合流する。

ヌメる30mくらいの滝
源頭部

時間的にはロープウェイ代を節約するために東横川を下降してもよかったが、面倒臭くなってしまったので、そのまま長谷部新道を辿って千畳敷へ下山することにした。
薮とアザミと謎の大量の白い羽虫の攻撃が激しいストレスフルなトラバースだったが、千畳敷は花が咲き乱れる美しい別天地だった。

シナノキンバイと千畳敷
チングルマの群落

全ての滝が登れて、明るく開放的で閉塞感がないので、経験者が同行すれば沢初心者にもおすすめな沢だ。

Memo

【日程】2025年7月9日

【行程】8:20 しらび平ー9:20 30m大滝ー11:30 長谷部新道合流ー12:30 千畳敷

【ギア】30mロープ(ただし、大滝は若干足りなかった)、カム小さめ(#0.4は使った)

【下山後のおすすめ】駒ヶ根ソースカツ丼ならガロがおすすめ。結構ボリューミー。かんてんパパガーデンや、伊那のグリーンファーム産直市場もいい。農産物に加え面白いものがたくさんあってカオスな雰囲気。